愛と地獄と至高の人生

オタクがなんか書きます

好きなものの話

いま、雨が降っている。
雨が降ると必ずと言っていいほど体調が悪くなるのに雨の音を聞くのが結構好きだ。
雨の音は人の心を落ち着かせる効果があるらしい。一定のようで一定ではないリズムにヒーリング効果があるとかなんとか。

 

それに似たものだと、私はコインランドリーに行くととても落ち着く。
ゴウン、ゴウンという一定の機械音、服やタオルがぐるぐる回る様子を見ながらコンビニで買ったコーヒーを飲むのが好きだ。夜中で他に人がいない時によくする。私が住む街も働く街も昼はいつも人で賑わっているけど、深夜のコインランドリーで洗濯物が乾くのを一人で待っている時は世界中に自分一人だけのような気がして落ち着く。孤独を嘆くことがよくある寂しがりなくせに不思議な話だ。

 

コーヒーが好きだ。母がよく飲んでいたので自分も毎朝必ず飲むようになった。どれだけ急いでいても飲まないと一日が始まらない。一番美味しいと思ったのは大学のカフェのコーヒー。一番よく飲んだのはよく行った地元にあるファミレスのドリンクバーのコーヒー。別に特別美味しかったわけでもないのに忘れられないのは、人生で一番つらかった時に本当にお金がなくて10円単位で節約していたのに、つらくてつらくてたまらなくて買ってしまった500円以上するちょっといい豆にこだわっているデパートに入っているオシャレなお店のコーヒー。

 

毎週気分で変える爪の色
Spotifyのプレイリスト「トーキョー・スーパー・ヒッツ」
セブンイレブンのポテトサラダ
クラネのらくだみたいな色のニット
ディーンアンドデルーカのお弁当バッグ

 

米津玄師の今はどこにも音源のない曲「あなたは醜い」
コンビニのインスタントの豚汁
冬の寒い空気
誕生日にもらったヴィヴィアン・ウエストウッドの腕時計
好きな男の低い笑い声

 

東京をテーマにした曲を聴きながら東京の電車で移動する時間
どこかの誰かが書いた魂の叫びみたいな文章
コムデギャルソンのバッグ
柴犬の動画
思い悩み葛藤する人

 

命からがら手に入れた舞台のチケットの半券
オレンジのリップとチーク
穂村弘の短歌
友達が昔書いてくれたmixiの紹介文のスクリーンショット
優しいバニラの匂いのハンドクリーム

 

明日も変わらず私は世界でひとりぼっちで人生はずっと苦しいけど、好きなものがあるからなんとか生きていけたりするのだろう。もうちょっと生きてみるかと思ったりするのだろう。